安土桃山時代 in The 日本史
〜安土桃山時代と日本史の英雄達〜

　この本は、著者が企業の現場を熟知し、人の気持ちを充分わかっているのを感じさせる。それを、信長というキャラクターに経営相談という形で、言わせているのが面白く、一段とわかりやすい。
それは、大きな志（天下布武）というビジョンがあって経営の指針を適格に指導してくれるのは、目先にとらわれがちな経営に判断の方向性を教えてくれる。
また、経営という視点で、書かれているが、戦国時代を経営という視点で読めるのが、歴史的興味も同時に味合わさせてくれ、１粒で２度美味しい。

戦国武将や史上の歴史家たちの生き方や戦略、政策を現代の政治や経営に取り入れる書籍は今までにも何度も出版されていますが、信長の家臣団の運用法を、ここまで体系的にまとめ解析された本は無かったであろうと思う。
また非常に解りやすく説明されているので企業経営を担う方はもちろん、企業経営を目指す若手の方々にも、お勧めできる本かと思います。

信長の家臣団を人事の方法に例えてあって大変わかりやすかったです。
私は経営に携わっている者ではございませんが、歴史の読み物としてもわかりやすく楽しく読ませていただきました。

信長のいろいろなエピソードを知ることにより自然に会社経営のコツを学ぶことができるという、工夫のこらされた本です。たとえば（信長の経営相談）は信長が現代の経営者を指導するというユニークなものです。「優秀な人材を採用できず悩んでいる」という悩みをもつ現代の経営者に対して、信長は「そちの会社に人を集めるだけの魅力があるのか？」と逆に質問しており、同じ悩みを持つ私は「ハッ」とさせられました。信長の指摘に自分を省みて、今後に生かしていきたいと思います。

歴史上の偉大な人物が現代によみがえって、経営者に語りかける…面白く読んだ。
大きな成長は見込めない、先の見通しが立たないと私たちは今口癖のように言う。
信長の時代と比べたらどうか。
そんな元気のない発想そのものが、一笑に付されてしまう。
当時足軽は、後世の武士のように忠誠を誓って殿様に仕えるのではなく、よい食べ物・恩賞を求めて戦争に加わり、誰に仕えるかドライな感覚で仕える人を選んでいたという。
そのような時代に、生まれや属性でなく“はたらき”で人を登用し、恩賞を思い切って与えた信長、いつの時代にも変わらない人を生かす術があることがわかる。
また、信長の失敗に触れているところもユニークであると思う。
賃金コンサルタントとしての筆者の視点、発想が随所に感じられ、信長がイキイキと身近に感じられる。めいったときに再読して元気をもらいたい、そんな本である